ACT-R理論

ACT-R理論は、アメリカの認知科学者・計算機科学者ジョン・R・アンダーソンが開発した、記憶や言語理解、学習など広範囲にわたる人間の認知活動を扱う、宣言的知識と手続き的知識の統合的なモデルである。

ゴードン・バウアーと共同で開発したHAMモデル(Human Associative Memory)を拡張したACT(Adaptive Control of Thought)モデルの中で、宣言的知識のモデルである意味ネットワークに、手続き的知識モデルであるプロダクションシステムが追加された。その後も改良が進められ、ACT*(ACT Star)、ACT-Rへと拡張された。


ACT*

ACT*(ACT star)モデルでは、宣言的知識のネットワークにおいて、外的な刺激や内的な処理によって、特定のノードが活性化され、リンクにそって活性化が拡散していく。個々のリンク強度が用いられた頻度によって変化することで、宣言的知識の学習が行われる。

特定のスクリプトは、登場する人物や道具、複数の場面に関する知識などから構成されており、これらには最も典型的な値が設定される。

手続き的知識の学習は、下記のようなプロセスからなり、段階に応じて実行速度や正確さも高くなる。このような学習の進展は手続き化と呼ばれる。

手続き的知識の学習は、複数のルールを統合することや、既存のルールをほかの状況へ適用することによってもなされる。

ACT-R

ACT*をさらに拡張させたものがACT-Rである。ACT-Rの宣言的知識では、チャンクと呼ばれる基本単位を使用し、チャンクは活性値をもつ。手続き的知識では、プロダクションルールを基本単位として用い、有用度と呼ばれる値をもつ。

ACT-Rでは、脳内の独立した機能部分をモジュールとして表現し、各モジュールへは対応するバッファを通してのみアクセスが出来る。ただし、手続き的知識を格納する手続き的記憶モジュールは例外で、アクセス可能なバッファを持たず、ほかのモジュールにアクセスするのに使用される。

ACT-Rは、人工知能研究で利用されることが多く、フリーソフトとしても公開されている。


参考書籍
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