文の理解

文章や単語の文法的な関係を推定するプロセスを構文解析と呼ぶ。

人間の構文解析システムは、同音異義語などの多義性に直面すると、多くの異なる要因から影響を受ける。聴覚による認知の場合、声の高さや発音、リズムなど文を理解するうえで重要になる。このような発話音声に含まれる時間的に変化する情報をプロソディ情報と呼ぶ。


ガーデンパス効果

単語が知覚されると、すぐに統語割り当てが行われる逐次的な構文解析にガーデンパスモデルがある。ガーデンパスモデルでは、構造的にあいまいな文において、一時的に誤った構造として解釈され、構造的なあいまい性がなくなった時点で、再解釈が行われ読み時間が増加する。この現象をガーデンパス効果と呼び、ガーデンパス効果が起こる文をガーデンパス文と呼ぶ。

ガーデンパスモデルでの構文解析は自律的な処理であったが、相互作用的な処理を重視するモデルも提案されている。

単純再帰型ネットワーク

エルマンは、入力層、隠れ層、出力層の3層のネットワークに、直前の隠れ層の内容をコピーする文脈層を追加した単純再帰型ネットワークを提案し、エルマンのモデルはエルマンネットとも呼ばれる。

エルマンは、文脈層に保持できる情報の量を徐々に大きくすることによって、出現位置の離れた単語の依存関係も学習可能であることを明らかにした。これは「小さく始めることの重要性」と呼ばれており、これによって幼児の認知特性が、複雑な文を処理しないで済むことで学習を促進している可能性を示した。


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