単語認知

単語認知は、聴覚によって音声言語を処理する聴覚的単語認知と、視覚によって文字言語を処理する視覚的単語認知に分けることができる。


聴覚的単語認知

聴覚的単語認知のモデルとして有名なものにコホートモデルがある。コホートモデルでは、単語が聴覚的に入力されると、言語で用いる音の最小単位である音素と合致する単語群が活性化される。活性化された単語群は、単語の音声や前後の文脈などによって候補が絞られ、最終的にひとつの単語が特定される。

連続した音声では、単語と単語の境界で音素が重なる場合があり、その中で音素や単語を聞き分けるには複雑な処理が必要とされる。

視覚的単語認知

音声言語に比べて文字言語は、単語の境界が判別しやすい。欧米言語では通常、単語間に空白を入れる分かち書きが行われるため、明確に単語を識別でき、日本語では意味を担う最小の言語要素である形態素の識別が必要となり、少し複雑になるが、音声言語に比べれば容易である。

相互活性化モデル

相互活性化モデルは、特徴レベル、文字レベル、単語レベルの3層からなる、初期のコネクショニストモデルである。各レベルには処理ユニットが存在し、相互に結合している。対応する要素(特徴、文字、単語)を含む場合は促進的結合を持っており、そうでない場合は抑制的結合を持つ。また、文字ユニットと単語ユニットは相互に結合しており、文字レベルと単語レベルの相互作用によって処理が進行すると仮定されている。

二重経路モデル

カスケードらは、単語情報へ直接アクセスする方法では、非単語など文字列は発音できないと考え、二重経路モデル(二重経路カスケードモデル)を提案した。

二重経路モデルでは、単語を音読に二つの経路を仮定している。ひとつは単語情報へ直接アクセスし、保持されている情報を参照して音読が行われる。ふたつ目は、非単語などを音読する際に、単語情報を介さず書記素(文字言語の基本となる要素)と音素の対応規則に従って音読される。この過程は音声読みとも呼ばれる。また、単語情報へアクセスして音素に変換するプロセスも存在しており、規則に従わない例外的な発音をする単語は、この方法で処理され、全語読みとも呼ばれる。

並列分散処理モデル

サイデンバーグとマクレランドは、語彙を意味情報、音韻情報、意味情報の3つのユニット群で表現される並列分散処理モデルを提案した。3つのユニット群は中間層を介して互いに異なるユニット群と結合している。シュミレーションの結果、ほとんどの単語に対して正しい発音が出力され、従来の実験データもうまく説明できることが示された。


参考書籍
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