記憶の過程
記憶とは過去の経験情報を保持し、後にそれを利用する機能である。記憶の過程は記銘(符号化)、保持(貯蔵)、想起(検索)の3段階に分けることができる。
記銘(符号化)
入力された感覚刺激を意味情報に変換し、保持するまでの一連の情報処理過程を示すのが記銘、または符号化である。意味を理解できる母国語などは記憶できるが、意味を理解することができない外国語などは記憶するのが困難であるなど、意味情報に変換できない入力情報は記憶されにくい。
保持(貯蔵)
記銘によって変換された意味情報は保持されるが、入力された情報が同じでも、保持される情報は人によって異なる事がある。意味情報に変換される際に用いられる既有の知識は、人によって異なるので、情報が切り捨てられたり、付加されたりするためである。
想起(検索)
保持されている記憶が呼び起こされることが想起で、想起のされ方は再生、再認、再構成の3つがある。
- 再生…保持されている記憶がそのままの形で再現されること
- 再認…以前経験したことを「経験した」と認識できること
- 再構成…保持されている記憶のいくつかを組み合わせて再現されること
参考書籍(PR)
- 『認知心理学 (New Liberal Arts Selection)』 有斐閣(2010)
- 『認知心理学 (放送大学教材)』 放送大学教育振興会(2013)
- 『錯覚の科学 (文春文庫)』 文藝春秋(2014)
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