科学の歴史

ここでは、科学の流れを大まかに読み物として紹介しています。事実とは異なる部分や省かれているところもあるかもしれません。しかし、現代人の我々は歴史上の人物が何を考え、どんな想いを抱いていたのか正確に知ることはできず、想像に頼るしかない部分があるのもまた事実です。これもまたひとつの「仮説」であると言えます。

科学とは

〜仮説の下克上 反証可能性〜

科学とは一体なんでしょうか。19世紀以前までは科学と非科学の明確なラインはありませんでした。20世紀前半に科学哲学者のカール・ポパーという人が反証可能性の概念を提示し、多くの科学者に受け入れられました。

反証可能性とは「一度証明されたものをくつがえすことができる」と言うものです。科学は間違いのない完璧なものだと思っている方も多いと思いますが、科学理論は常に反証される可能性を持っています。誤解を恐れずに言えば、100%正しい理論など存在しません。数式から導き出される数値は近似値でしかなく、精度を追及していけばいつか誤差が生じ、新たな理論が必要になる場合も少なくありません。

科学の証明と数学の証明とではアプローチの仕方が異なります。数学は最も基本的な仮定である公理を前提として証明を行っていきます。数学は概念ですから紙と鉛筆があれば証明を行うことができ、一度証明されれば反証されることはなく、それは永遠に正しいということになります。

一方科学では、データをもとに理論を構築していく帰納的な方法と、一般的・普遍的な前提から結果を推論していく演繹的な方法の2種類があります。一見数学の証明と似通っていますが、科学ではこれらが実験によって正しいと確認されて初めて、この理論は証明されたと言えます。

多数の人間により幾度も実験され正しいと証明された理論でも、あるとき理論と合わない結果が得られることがあります。実験方法や実験器具に問題があったとなれば、理論自体に影響はありませんが、誰が何度実験を行っても同じ結果が出る場合には、理論の方を修正していく必要があります。科学ではたとえ100万回の実験結果が理論と一致したとしても、100万1回目で理論と異なる結果が得られれば反証されることになります。

ただし、広く受け入れられた理論をくつがえすことは容易ではありません。それまでは何の問題も無かった理論が間違っていると言われても、信じる人はほとんどいないと思います。さらに昔は宗教上の理由により、間違いであることに気づきながらも新しい考えを世間に公表することができませんでした。ガリレオ・ガリレイが地動説を広く推し進めた結果、裁判にかけられたことは有名です。しかし科学の歴史を見ると、それまでの理論を反証することで進歩してきたといっても過言ではありません。天動説から地動説へ、光の正体とは、古典力学から現代物理学への転換など、科学の歴史はドラマに満ち溢れています。


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