古代ギリシャの科学

〜地球はプラネタリウム〜

紀元前、古代ギリシャの時代には様々な考え方が生まれました。ソクラテスやプラトンなどの哲学的なもの、エンペドクレスによる「水、空気、火、土」の四元素説、アリストテレスの天球仮説などです。アリストテレスの天球仮説とは所謂「天動説」の前身で、地球の周りはドーム状の天球に覆われており、天体などの星がその天球に張り付いて地球の周りを回っているというものです。この考えはキリスト教神学に合致するものとして、キリスト教にも採用されました。

実は、ほぼ同時代にピロラオスやヘラクレイデス、アリスタルコスなどによって太陽の周りを地球が回っているという地動説に近い考えもありました。しかしその当時は天球仮説の方が観測結果と良く一致していたことや、地球が動いているならなぜ我々はそれを感じることができない(振り落とされたり、強風を受けることがない)のか、などの理由によって否定されました。

古代ギリシャの数学

古代ギリシャ時代の数学者と言えばピュタゴラスが有名ですが、ピュタゴラスが立ち上げたピュタゴラス教団は、数を崇拝する宗教に近いものでした。それでも三平方の定理(ピュタゴラスの定理)や、数論に関する発見は多岐にわたり現代人の我々が見ても素晴らしいものばかりです。

また、数学者のエラトステネスは地球の大きさをほぼ正確に知っていたと言われています。それだけでも驚きですが、地球の大きさを知っていたと言うことは、地球が球体であることも知っていたことになります。われわれは子供のころから地球儀や写真などを見て地球は丸いと言うことを当たり前のように知っていましたが、この時代では飛行機やスクリュー付きの船などは当然ありません。地球が球体であることをどのように知ったかは諸説ありますが、有力なものは月食時に月に映る影です。この影が地球であることに気づき地球は丸いと言うことを知ったと言われています。

昔の人は地球が球体ではなく平面だと思っていた、という地球平面説がありますがまったくのでたらめか、一部の地域だけと言うことになります。

さらにアリスタルコスは月食の観測から、地球と月の大きさの比率は3:1であることを算出し、ヒッパルコスによって地球から月までの距離が求められました。因みにこのヒッパルコスは恒星の等級の決定や46星座(49星座という説もあります)を決定しました。その後、前述のアリスタルコスによって太陽までの距離も算出されました。

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