古典的条件づけに影響する要因

古典的条件づけの学習速度やCR(条件反応)の強度は、CS(条件刺激)とUS(無条件刺激)の関係性に大きく影響を受ける。


CSとUSの時間的関係

呈示するCSとUSの順序によって大きく分けると順行条件づけ、同時条件づけ、逆行条件づけがある。順行条件づけはCSの後にUSを呈示する手続きで、同時条件づけはCSとUSを同時に、逆行条件づけはCSの前にUSを呈示する。

順行条件づけはさらに延滞条件づけと痕跡条件づけに分けられる。延滞条件づけはCSの呈示後、CSの消失前にUSを呈示する手続きで、痕跡条件づけはCSを呈示し消失させた後に時間をあけてUSを呈示する。

一般的にCRの獲得速度が速く強度が高いのは延滞条件づけで、その後に痕跡条件づけ、同時条件づけが続き、逆行条件づけはCRの獲得は困難である。延滞条件づけのCSとUSの最適な間隔は、実験対象や用いられる刺激などさまざまな要因に依存する。

これらの条件づけ以外に、CSを呈示しないでUSのみを一定の時間間隔で呈示する方法もある。これは時間条件づけと呼ばれ、US呈示後の時間経過がCSとして働くため、USの呈示直前になるとCRが集中的に生じるようになる。

試行間間隔

基本的には、試行回数が同じであれば試行と試行の間隔が長いほど条件づけは速やかに行われる。

USの呈示頻度

通常の条件づけ手続きでは、CSとUSを毎回対呈示する。これは全強化あるいは連続強化と呼ばれる。これに対して、CSの呈示時にUSを呈示したりしなかったりする手続きは部分強化または間欠強化と呼ばれる。

基本的には連続強化の方が間欠強化よりも条件づけは速やかに行われる。ただし連続強化は消去も速い。これは部分強化効果と呼ばれており、間欠強化が消去されにくいことはギャンブルが例に挙げられることが多い。

CSとUSの類似性

CSとUSの類似性が高いほど条件づけされやすいことが知られている。これは刺激の質的な類似性だけでなく、空間的な方向性の類似も含まれる。例えば、CSとUSがともに上方向からの刺激の方が、CSが上方向からUSが下方向からの刺激よりも条件づけされやすい。

生物学的準備性

ラットでの味覚嫌悪学習において、味覚CSとその後の内蔵不快感であるUSというのは速やかにかつ強力に条件づけが形成される。しかし、CSに視聴覚刺激を使用すると味覚刺激と比べて条件づけされにくいことがはっきりと確認できる。

ガルシアらはこれに加えて、ラットの足へのショックをUSとして、CSに味覚刺激と視聴覚刺激で実験を行っている。結果はCSに味覚刺激を用いたときは条件づけされにくく、視聴覚刺激の場合は条件づけされやすいという内蔵の不快感をUSとした場合とは逆の結果になっている。

CSとUSの組み合わせによって条件づけの大きさが異なることは連合選択性と呼ばれている。セリグマンは生得的にたやすく条件づけを形成させるCSとUSの連合は準備性の連合と呼び、条件づけを形成しにくい連合は反準備性の連合と呼んだ。つまり、生得的に準備されている連合であるために条件づけされやすい組み合わせが存在しているというわけである。

どの組み合わせが準備性の連合なのかは動物の種によって異なる。ラットの場合は味覚と嗅覚が優れているために、味覚CSと内臓不快感であるUSは条件づけされやすいが、ウズラの場合は食物探索に優れた視覚を使用するため、味覚よりも視覚刺激である色に対する嫌悪のほうが条件づけされやすい。


その他