説得と態度変容

態度の変化を心理学では態度変容と呼ぶ。他人への言葉による働きかけを説得と呼び、説得のためのコミュニケーションを説得的コミュニケーションと呼ぶ。この説得によって態度変容が生じると考えられている。


メッセージ学習理論

説得性をもった情報が、学習過程を通して受け手の態度に残ることが、説得の決め手であるという考えをメッセージ学習理論と呼ぶ。注意、理解、受容、記憶保持の四つの基本過程が説得には重要で、これらの考えに基づき、説得の四要因である、メッセージの送り手、内容、受け手、経路のそれぞれが持つ特徴によって、説得の効果が左右されるという考え方である。

受容範囲と拒否範囲

他者からの意見に対し、自分の意見に近いとそれを受け入れられると判断し、実際以上に自分の考えに似ていると判断する範囲を受容範囲と呼ぶ。逆に他者からの意見が自分の意見と異なっているとそれを受け入れられないと判断し、実際以上に異なっていると判断する範囲を拒否範囲と呼ぶ。対象者が何かに夢中になっている問題に対しては、ほかの問題に対して受容範囲が狭くなり、拒否範囲が広くなるため、説得は難しくなる。

精緻化見込みモデル(ELM)(精緻可能性モデル)

精緻可能性モデルでは、私たちは外部から与えられた説得的コミュニケーションによって直接説得されるのではなく、そのコミュニケーションによって頭の中で反応して作られた考えによって説得されると考えられている。説得された問題に関心を持ち、考えたいという意欲(動機づけ)と、考える知識、能力(認知的能力)の両方を持っている場合、細かく検討されたうえで認知的反応が生じ、ここで変えられた態度は以後も変わりにくい。どちらか一方、もしくはどちらも持っていない状態で態度変容が生じた場合、その態度はすぐに変わってしまいやすい。

ヒューリスティック・システマティックモデル(HSM)

ヒューリスティックを利用した自動的な情報処理過程と、認知資源を使用して論理的に情報処理が行われるシステマティック処理の、二重過程で説得をとらえようとする理論を、ヒューリスティック・システマティックモデルと呼ぶ。まずヒューリスティック処理により、説得内容の真偽の判断が行われるが、ここで確信が得られない場合や、認知資源を使用して情報を吟味できる状況では、システマティック処理により精査が行われる。


参考書籍
おすすめの実用書
社会心理学カテゴリー
個人
トップメニュー
物理学