リーダーシップ

集団の中で他の人以上に影響力を持っている存在をリーダーと呼び、集団の目標達成に向けての活動に影響を及ぼす過程や、集団内の人に影響を及ぼす過程をリーダーシップと呼ぶ。また、リーダーに従う人をフォロアーと呼ぶ。リーダーシップ研究は異なる視点から様々な研究がなされている。


特性論

リーダーは他の人とは違う特性を持っており、全てのリーダーはその特性を共有しているという考え方を特性論と呼ぶ。特性論では、リーダーは知能が優れている、自信を持っている、支配性が強い、社交性に優れている、活動的である、多くの社会活動に参加する、学業成績が良い、責任感が強いなどの特性を持っているとされている。

レヴィンのリーダーシップ・スタイル

レヴィンらは、専制型、民主型、放任型の三つにリーダーシップ・スタイルを分類し、実験を行った。専制型では集団活動のすべてをリーダーが決定し、民主型では集団の方針を集団討議により決定し、リーダーは議長としての役割を果たす。放任型ではリーダーは集団活動に積極的には参加せず、全ての決定をフォロアーに任せるという役割を演じさせた。その結果、民主型では仕事量、質ともに優れており、集団の雰囲気が最もよかった。専制型では仕事量では民主型と大差はなかったが、敵対行動やいじめなどが見られた。放任型では仕事量、質ともに他の二つに比べ劣っていたが、集団の雰囲気は専制型よりも優れていた。

PM理論

集団には課題達成機能と維持機能があるとされており、この考え方をリーダーシップにもあてはめ、課題達成機能と維持機能を促す働きかけを行うのがリーダーであるとする考え方をPM理論と呼ぶ。目標達成の働きを促進するリーダーの行動をP行動と呼び、集団内の関係を維持し凝集性を高めるリーダーの行動をM行動と呼ぶ。この二つの行動のどれを重視しているかの組合せによって、リーダーのタイプは四つに分かれる。

状況即応理論(LPCモデル)

PM理論ではPM型が最も望ましいと考えられていたが、状況によって異なることが明らかにされている。リーダーの特性に加え、状況を考慮したリーダーシップ理論を状況即応理論と呼ぶ。状況即応理論ではリーダーの特性をLPCという概念を用いていることから、LPCモデルとも言われる。LPCとはリーダーが最も苦手とする同僚に対する評価で、LPC得点が高い人は人間関係を重視するリーダーで、LPC得点が低い人は目標達成を重視するリーダーである。LPC得点の低いリーダーは、集団を完全にコントロールしているか全くしていない状況で効果的であり、どちらともいえない状況ではLPC得点の高いリーダーが効果的であると考えられている。

SL理論(状況対応理論)

どのリーダーシップ・スタイルが効果的であるかは、課題達成行動(P行動)と関係維持行動(M行動)の二つの行動と、フォロアーの成熟度によって決まるとする考え方をSL理論と呼ぶ。SL理論では課題達成行動を指示的行動、関係維持行動を協労的行動と呼ぶ。フォロアーの成熟度は四段階に分かれており、成熟度によって効果的な二つの行動の組み合わせが決まる。

フォロアーの成熟度指示的行動協労的行動リーダーシップ・スタイル
未成熟高く低く指示的
やや未成熟高く高く説得的
やや成熟低く高く参加的
成熟低く低く委任的

カリスマ的リーダーシップ

超人的な能力でフォロアーから絶大な信頼を得て、フォロアーの信念や行動に大きな変化をもたらすようなリーダーをカリスマ的リーダーと呼ぶ。どのような行動をとればフォロアーにカリスマと認知されるかは以下のようなことが考えられている。


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