色の認知
生物はその種の生存に適した視覚能力を備えており、人間の場合360〜830nmの波長領域の可視光と呼ばれる電磁波しか感知できないが、紫外線などを感知できる生物も存在する。
色に関する情報は錐体細胞が受容するが、光の波長によって知覚される色は異なる。この波長の違いによって生じる色の違いは色相と呼ばれるが、この他にも光の属性として、光のエネルギーの強さによって決まる明度と、鮮やかさの程度である飽和度がある。網膜には赤、青、緑の3つの光に応答する錐体細胞があり、これら3色の割合に応じて色を知覚している。
色相を順序立てて、円環状にして並べたものを色相環と呼ぶ。この色相環の対になっている色は補色とよばれ、補色になっている色を混合すると白色光を生じる。同じ色をしばらく眺めた後、白い壁などを見ると違う色の残像が見えるが、これは補色残像、または補色残効と呼ばれ、眺めていた色の補色となっている色が、残像として現れている。
参考書籍
- 『認知心理学 (New Liberal Arts Selection)』 有斐閣(2010)
- 『認知心理学 (放送大学教材)』 放送大学教育振興会(2013)
- 『錯覚の科学 (文春文庫)』 文藝春秋(2014)
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