魅力的な男性とは
女性が男性を見る場合、外見よりも経済力を重視する傾向がある。これは世界規模の調査でも共通している。
女性の場合、妊娠・出産・子育てと長期的に多くの労力を必要とするため、これらを含めたその他の労力を男性に求めるのである。そして、男性に逃げられるリスクを防ぐため、男性よりも性行為に対して慎重になる。
男性が女性に対して身体の浮気を警戒するのに対して、女性が男性の感情的な浮気を警戒するのは、こうした労力を受けられなくなるリスクを警戒しているのである。
好まれる男性の顔とは
女性が男性の経済力を重視するとは言っても好まれる顔はある。「魅力的な女性の顔とは」でも示した通り、顔の平均性・対称性の高い顔は好まれ、これは男女ともに共通する。
しかし、顔を重ねあわせて少し加工を施した合成写真の魅力度を評価する実験では、男性が女性の顔を評価する場合はより女性らしい女性を好むのに対し、女性が男性の顔を評価する場合、男らしい顔よりもやや中性的な顔が好まれる傾向にある。
男らしい顔というのは男性ホルモンの影響を受けているため、より男らしい顔の方が生殖能力が高いことを意味する。しかし、女性にとって男性の生殖能力の高さは浮気のリスクを増大させるので、このような結果になると考えられている。
好まれる男性の身体とは
顔の場合と同様に、男性ホルモンの影響が強く出ているマッチョな体が必ずしも好まれるわけではない。マッチョ過ぎる身体はむしろ敬遠される傾向が強いとも言える。
ただし、これらは女性によって異なることがわかっている。
男らしい顔・身体を好む女性
当然ながら、世の中には男らしい顔・身体の男性を好む女性もいる。どのような女性がより男らしい男性を好むのか、これまでの研究で明らかになっている。
- 自分のことを魅力的だと思っている女性
- WHR(ウエスト / ヒップの値)が小さい女性
- 自分は性欲が強いと感じている女性
- 短期的な関係を求めている女性
- 排卵期の女性
- セルフモニタリング傾向が高い女性
1と2は自分の身体的魅力に自信をもっているため、男性が自分以外の女性を求めるリスクが少ないと考えているためと解釈できる。これは釣り合い仮説からも説明できる。
3・4・5は性欲が高まっている、つまり妊娠しやすい状態であるため、よりよい遺伝子を求めているためと解釈できる。
6でのセルフモニタリング傾向とは、自分が他人からどう見られているかを考える傾向であり、セルフモニタリング傾向が高いとは他人からの評価を気にするということである。つまり、外見が魅力的な男性を恋人にすることで周りからの評価を高めようとしているのである。