コミュニケーション手段

社会生活を送る上で人とのコミュニケーションは必要不可欠なものである。自分の意思が相手に伝わらなければ、集団で生活することだけではなく、ものを買ったりサービスを受けたりすることも困難になる。

コミュニケーションの手段は言葉だけではなく、表情やしぐさ、その他の行動などによっても、送り手と受け手さえいればコミュニケーションは成立する。また、これらは場の雰囲気や状況的文脈、送り手に関する知識や送り手との関係性、声の高さや大きさなど、さまざまな情報によって解釈のされ方は異なってくる。例えば、相手が自分の知らない言語で喋っていたとしても、険しい表情と大きな声で言葉を発していれば怒っていることは伝わるし、コンビニエンスストアやスーパーマーケットで商品をレジにもっていけば、この商品を買いたいということを伝えられる。

これらのことからもわかるように、コミュニケーションの方法には言語的コミュニケーション(バーバル・コミュニケーション)と非言語的コミュニケーション(ノンバーバル・コミュニケーション)がある。


言語的コミュニケーション

言語的コミュニケーションとは、音声を伴う会話だけではなく、文字を用いた手紙や電子メール、手話なども含まれる。要するに言語を用いたやりとりである。

コミュニケーションは送り手と受け手の共同作業であるため、両者には共通の理解が必要となる。これは同じ言語を用いるというだけではなく、単語の意味や使われ方、文脈なども同じように理解している必要がある。例えば、送り手の言葉に専門用語が多く含まれていて受け手がそのほとんどを理解していない場合、送り手の意思は伝わらない。これはコミュニケーションというよりは送り手の独り言ということになるだろう。これは極端な例であるが、日常生活においても、話がうまく伝わっていなかったり、誤解を招くような表現によって人間関係がギクシャクすることも多々ある。これらは性格や価値観の違いだけではなく、コミュニケーション不足によって共通の理解が不足していることが多いのである。

受け手へのチューニング

あなたは「りんご」という言葉を見聞きしたとき、どのようなことを感じるだろうか。おそらく多くの人は、自分で意識できるほどの感情の変化は起こらないであろう。ただ、りんごが大好きな人であれば、ワクワクする気持ちになるかもしれないし、りんごが嫌いな人であれば、思い浮かべるだけで不快な経験をするかもしれない。もし知り合ったばかりの相手からりんごがあまり好きではないという情報が得られた場合、積極的にりんごの話をしようとは思わないだろう。

一般的に、育った環境や所属する集団内では、共通の知識や暗黙の了解ともいえるルールが存在する。このような共通の基盤を持たない他者との会話には、細部にまで言及した丁寧な伝達、描写が行われることがある。これは受け手へのチューニングと呼ばれている。ヒギンズはこのチューニングがさまざまな場面で用いられていることを指摘し、以下の4つに分類している。

会話の格率

集団の内外問わず、円滑にコミュニケーションが行われるためには、何らかのルールを共有している必要がある。このコミュニケーション・ルールについては言語哲学者のグライスが、以下のような会話の格率の存在を指摘している。

非言語的コミュニケーション

人間のコミュニケーションは言語を使用したものだけでなく、他の動物と同じように、非言語的なコミュニケーションも行っている。

物理的距離

相手との物理的な距離で、その相手との感情の親密さを表す。この距離には個人差や文化差がある。

顔の表情

顔の表情によって感情を相手に伝えることができ、相手の表情によって相手の感情を知ることができる。特に怒りや悲しみ、嫌悪などの基本的感情については、文化が違ってもかなりの程度まで共有されている。

ジェスチャー

身体の一部を動かすことで情報を伝達する。ボディ・ランゲージとも呼ばれる。

視線

会話の中では聞き手は全体の約75%、話し手は約40%の間、相手の目を見つめているという。その中で、相手が興味を持っているかなどの情報を感じ取ったりする。また、他者の目を凝視することは、好意や敵意を相手に示したり、相手に好意や敵意をもっていると解釈されることもある。

近言語

言語的な内容を伴わない音声情報で、声の大きさや喋る速さなどがある。


参考書籍
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