古典的条件づけの行動療法への応用

系統的脱感作

行動療法のなかでも最も広く使われている方法のひとつに系統的脱感作がある。この方法はジョーンズが、ウサギを怖がる男児に対してお菓子をあげながらウサギを見せるという拮抗条件づけを行なったことがもとになっている。この方法で男児は徐々にウサギに近づけるようになり、最終的にウサギに触れるようにもなっている。

このように系統的脱感作は、恐怖症などの治療として、患者が恐怖の対象としているものを段階的に経験させることで消去する方法である。ウォルピはこの方法を洗練させ、身体の筋肉を一時的に緊張させた後に開放するという筋弛緩法を開発している。これによって得られるリラックスを、不安や恐怖の拮抗反応として用いることで不安や恐怖を克服しようとするものである。

系統的脱感作ではまず、不安や恐怖の強さに対応した階層表を作成と、患者に筋弛緩の訓練を行う。そして、筋弛緩によってリラックスした状態で、作成した階層表の中の不安や恐怖の弱いものから呈示し、セッション毎に徐々に強いものへと移行していくことで、不安や恐怖を取り除いていく。このとき、不安や恐怖を誘発する状況を想像させて治療を行う方法はイメージ脱感作法と呼ばれ、実際にその状況を体験させて治療を行う方法は現実脱感作法と呼ばれる。

嫌悪性抗条件づけ

アルコールや喫煙、買い物、薬物、過食など、止めたいと思っても自分の意志だけではなかなか止めることができない行動は多々ある。このような依存症の治療として用いられているのが嫌悪性抗条件づけである。これは望ましくない行動をとった場合に不快な体験をさせ、その行動と不快な反応を条件づけることで、その行動を抑制させるものである。

例えば、催吐剤を飲ませた後にアルコールの匂いを嗅がせたり飲ませたりして、アルコールと吐き気を条件づけることによって飲酒したいという欲求を低下させる。このとき、特定のアルコールだけではなく、様々な種類のアルコール飲料で行うとより効果的である。もちろんこの方法で確実に再発しないわけではないが、短期的または長期的にアルコール依存症から回復した例もたくさんある。


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