知覚の恒常性

対象が同じであっても、見る方向や距離、照明などが異なれば、網膜に映る像もそれに合わせて変化するが、対象は比較的一定のものとして知覚される。これを知覚の恒常性と呼ぶ。


大きさの恒常性

対象までの距離が2倍になれば、それに応じて網膜に映る像の大きさも2分の1になるが、実際はそれほど大きさが変化したとは感じられない。このような大きさの恒常性は、対象までの距離がわかっている場合に生じる。対象までの距離が正確に判断できない場合には、網膜像の大きさに基づいて知覚されやすくなる。

形の恒常性

対象を見る方向が変化すれば、その変化に伴い網膜に映る像も変化するが、対象を同一のものとして知覚することができる。これを形の恒常性と呼ぶ。

明るさの恒常性

照明の強さに関係なく、白いものは白く、黒いものは黒く知覚される。このような明るさの恒常性は、背景の明るさと対象の明るさの比率が変化しないために生じる。

色の恒常性

太陽光と照明器具の光では、光に含まれる波長が異なるため、同じ対象でも異なった色に見えるはずであるが、実際は対象の色を正しく認識することができる。このような色の恒常性は、照明の色が異なっている場合にも生じることがある。


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