スキーマ
知識を体制化する枠組みをスキーマと呼ぶ。人間は外界からの情報を処理する過程で、構造化されたスキーマを用いると考えられている。
ラメルハートとオートニーは、スキーマを「記憶に貯蔵された一般的な概念を表現するデータ構造である」と定義し、下記のような特徴を挙げている。
- スキーマは固定的な要素と可変的な要素を持ち、情報が欠けている場合は、最も典型的な値が割り当てられる。
- スキーマは他のスキーマを内包するような埋め込み構造をもっている。
- さまざまな抽象度のスキーマが存在する。
人工知能研究での知識表現においても、スキーマは重要な位置を占めており、本質的なテーマでもある。スキーマの中でも、主に宣言的知識を表現するための手法として、フレームという概念も提唱されている。
社会的認知研究では、人物スキーマ、自己スキーマ、事象スキーマ、役割スキーマなど、多様な社会的スキーマが仮定されている。
参考書籍
- 『認知心理学 (New Liberal Arts Selection)』 有斐閣(2010)
- 『認知心理学 (放送大学教材)』 放送大学教育振興会(2013)
- 『錯覚の科学 (文春文庫)』 文藝春秋(2014)
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