ゼロ次同次性

すべての価格が同じ割合で上昇すると、企業の行動(最適生産計画)も消費者の行動(最適消費計画)も変わらない。

財の価格が他の財との比較によって成り立っていると考えれば、価格が同じ割合で上昇しても2つの財の価格の比率は変わらないので、各々の行動も変わらないということである。


企業の行動を見ると、すべての生産物と投入物の価格がt倍になったとしても、最適な生産計画yj(p)は変わらないので、

yj(tp)=yj(p)
が成り立つ。このとき、yj(p)はゼロ次同次関数であるという。

消費者の行動を見ると、すべての価格がt倍になったときの予算制約式は、

tpxi=tpwi+j=1Jθijtpyj(tp)
となるが、企業の行動で見たようにyj(tp)yj(p)で置き換えられ、両辺をtで割ると、もとの予算制約式が得られる。つまり、すべての価格がt倍になったとしても予算制約は変わらず、最適な消費計画も変わらないので、
xi(tp)=xi(p)
が成り立ち、xi(p)はゼロ次同次関数であるといえる。

超過需要関数がz(p)=x(p)-y(p)-wであることを考えると、超過需要関数z(p)もゼロ次同次関数であり、

z(tp)=z(p)
が成り立つことがわかる。


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