厚生経済学の基本定理
厚生経済学の第1基本定理:完全競争での市場均衡はパレート効率的である
厚生経済学の第2基本定理:政府が適切な所得分配を行えば、パレート効率的な資源配分を達成できる
厚生経済学の第1基本定理
資源配分をと表し、このとき、すべての消費者について(が集合の要素である)が成り立ち(各消費者の消費計画が実行可能である)、すべての企業についてが成り立つ(各企業の生産計画が実行可能である)こととする。また、資源配分が実行可能であるとは、が成り立つことである。
実行可能配分をからに移すとき、すべてのについてが成り立ち、かつ少なくとも1人についてが成り立つ場合、配分はをパレート改善するという。
ある実行可能配分がパレート効率的であるとは、をパレート改善する実行可能配分が存在しないことである。
完全競争市場均衡がパレート効率的である理由
消費量をわずかに増やすと効用が上がるような財が各消費者にひとつはあるという条件のもとで、もし価格、実行可能配分が完全競争での均衡状態であるにも関わらず、パレート改善する実行可能配分が存在すると仮定した場合、すべての消費者についてとなる。この場合、であればでなければならず、であればでなければならない。
これらから、
であることがわかる。これに市場均衡条件を代入すると、
となるが、これはがの下で利潤を最大にするという条件()と矛盾する。が成立するように、
とすると、となる。これをでまとめると、となるが、これは資源配分が実行可能であると矛盾する。したがって、完全競争市場均衡はパレート効率的であるといえる。
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