ワルラス法則

消費者iの予算制約式は

pxi(p)=pwi+j=1Jθijpyj(p)
であり(「一般均衡モデル」を参照)、これをすべての消費者で合計すると、
pi=1Ixi(p)=pi=1Iwi+i=1Ij=1Jθijpyj(p)
となる。


右辺の最後の項は企業から消費者へ分配される利潤であり、企業の利潤はすべて消費者へ分配されるので、

i=1Ij=1Jθijpyj(p)=pj=1Jyj(p)
となるので、予算制約式を
pi=1Ixi(p)=pi=1Iwi+pj=1Jyj(p)
と書き換えられる。

これを変形させて、pでまとめると、

p(i=1Ixi(p)-i=1Iwi-j=1Jyj(p))=0
となる。

超過需要が

z(p)=i=1Ixi(p)-i=1Iwi-j=1Jyj(p)
であったので(「一般均衡モデル」参照)、これを代入すれば、
pz(p)=0
となる。

この式は

p1z1(p)++pNzN(p)=0
ということなので、それぞれの財の超過需要の金額を合計すると常にゼロになるということである。これはワルラス法則と呼ばれる。

すべての財の価格が正である場合、ある市場で超過需要関数がプラスであれば、超過需要関数がマイナス(超過供給)となる市場が必ず存在すること、N個の市場のうちN-1個の市場で超過需要関数がゼロ(均衡)であれば、残りの1個の市場も必ず超過需要関数がゼロになることが、ワルラス法則からわかる。


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